抗えない日常

     揺るぎない癖

二人展(内海仁・松枝美奈子)4/1~4/10

ギャラリーいちょうの木

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日々をこなすこと

滞りなく回すこと

わたしたちは抗えない物だらけの世界に生きている

 

個を高らかに謳おうが、生まれた時代性そのものからは逃げられない

切っても切れない何かが、空気感が

知らぬ間に体の一部となっていることにふとした折に気づく

 

歳を重ねても度々顔を出す、一癖二癖あるあの時代の揺るぎない子供心が、幼子心が

通常運転の日常をまたもや邪魔しにやってきた

否、彼らは親しげに「やぁやぁ」と底のないあっけらかんを携えて入ってくる

 

 

懐かしい友の顔をして

 

コレジャナイヨの循環

Circulation System of "No, not this one"

 

 

 

 

 

 

祭りの夜店でゲテモノくじをよく引いた。グロテスクな蜘蛛や蛇が欲しかったのだ。

夏の終わり、引き出しの隅っこにハズレのくじたちを発見しては捨てようかと思うが、「これじゃなかったんだよ」の脳内リフレインが度々わたしを引き止めた。

子供にとっては悲劇だが、あの感情は決して嫌いではなかった。

ハズレとして生産され、その後行き場のない彼らはなぜかグロテスクとは程遠い蛍光色で、今も昔も同じ形だ。おそらく何十年も同じ金型を使って作られているのではないか。

もし、たまったハズレたちが循環するシステムがあるとするならば、数多の引き出しの片隅から誰も気づかないほど緩慢に穏やかに作動するのだろう。 

 

 

 

 

 

トレーシングペーパー/ショックくじのはずれ

Polyrhythm

 

 

 

 

ポリマー(重合体)結合と反復。小さな正三角片はつながりを留めることを知らない。

仮に彼らから全ての役割を解いたなら内在するリズムはどんなループを紡ぐのだろうか。

 

 

 

 サイズ可変

ポリエステル不織布

ぶるぶる/ゆらゆら/すん

Trembling/Swaying/Prim

 

 「揺れる」に関するオノマトペを3つ選び個人的解釈で具現化しました。

アジア圏で多用されるオノマトペは音や状態、ニュアンスを含め一気に情報を伝達できる優れたツールだと感じています。

ただ、やや緩い日本においてその使用方法に厳格さはなく個人的見解に委ねられており、日々新しい感覚が上書きされていく気さえします。

 

 

 

 

 

アルミニウム/マスキングテープ

 

 

壁面3点

 

年月を経て壁にできた染みや苔、自転車の反射板から投影された虹、アスファルトとトロ箱の邂逅、さして熱量もない些細なものたちに心惹かれるその共通項を自問してみた。

January,Instant Rainbow

一月、すりガラスに即席の虹

Summer,Island Wall

晒された抗火石、新島の壁

Autumn Asphalt +

秋、アスファルトとグレーのトロ箱